「ディーラーではない、町の整備工場で新車は安く購入できるの?」
ちょっと前に、このような質問を受けました。
たとえば、近所にダイハツの看板を掲げていて新車を販売している整備工場があり、ちょっと覗いてみたところ、欲しかった車種が非常に安く売られていました。
ここでは、「サブディーラー」とも呼ばれている業販店の仕組みと、購入するリスクやデメリットなどを解説します。
目次
メーカーの看板を掲げているサブディーラーの仕組みと実態
業販店(サブディーラー)の仕組み
まず、業販店の仕組みから解説します。
今回の質問のように、町の整備工場が新車を販売している店を「業販店」あるいは「サブディーラー」と呼びます※今回は業販店と統一します。
位置づけは、町の整備工場(業販店)とメーカー系正規販売店が業務提携を結び、業販店が新車販売の紹介を販売会社にします。
たとえば、ダイハツの看板を掲げている町の修理工場が、新車販売の紹介をダイハツにするというイメージを持つとわかりやすいのかもしれません。
業販店(サブディーラー)における注意点
仕組みがわかったところで注意点を説明します。
業販店で購入するということは、仲介業者がひとつ増えているということ。
業販店がメーカーの営業マンを紹介するのではなく、業販店が販売会社から新車を仕入れているのが一般的です。
たとえば、通常ディーラーで新車を購入するときには、
↓
エンドユーザー
当たり前ですよね。売る側と買う側がいるという基本形です。
でも一方、業販店で購入するということは、
↓
町の業販店(サブディーラー)
↓
エンドユーザー
このような図式になるんです。
つまり、ユーザーは町の業販店から購入するその上には、正規ディーラーが存在している状態なんです。
しかも、新車を卸しているディーラーのスタッフと一切コミュニケーションがありません。
新車を購入するのにもかかわらずディーラー側の人間と一切接触しないしない。これが業販店で新車を購入する注意点です。
新車をメーカーから直接仕入れ、販売することができるのはあくまでメーカー系の正規販売店のみを忘れてはいけません。
業販店(サブディーラー)では新車の値引きに限界がある。
もうひとつ業販店には、決定的な弱点があります。
それが、ディーラーとユーザーの間に業販店が仲介することで新車の値引きが大きく引き出せない可能性があります。
たとえば、先ほどの図式を例にして原価100万円のタントを160万円で販売すると仮定した場合、
↓(原則100万円から160万円の間で交渉が可能)
エンドユーザー=160万円の売価
というのが基本です。
でも一方で、業販店が絡むということは、
↓(原則100万円から135万円の間で交渉が可能)
町の業販店=135万円の原価である売価でもある。
↓(原則135万円から160万円の間で交渉が可能)
エンドユーザー=160万円の売価
ちょっと極端な例でしたが、わかりやすく説明すると、業者をひとつ挟むことにより新車の値引き額が少なくなる傾向にあるんです。
これは、ゲームソフトを売るとき、ヤフオクやメルカリに直接売るか、ゲオなどゲームショップにて売るのかと同じで、ユーザーに届くまで人間がいるほど手数料が含まれて大きなリターンが得られなくなるのです。
業販店(サブディーラー)が新車を売る本当の目的
業販店がわざわざ利益の少ない新車を売る本来の目的は一体なんなのか。
それは、新車販売の利益よりも、町工場本来の役割である「その後のメンテンス」です。
そもそも、新車で儲けようという意識はなく、
- 車検やオイル交換などのメンテナンス費
- 自動車保険に加入させ保険手数料
- JAFなどの周辺商品
など、業販店は車にまつわるさまざまな商品で稼ごうとしているのです。
新車で稼ごうという意識が低いので、新車をディーラーと同じぐらいの価格で購入できるかもしれません。
いずれにしても、販売手数料や新車に必要な諸費用、また今後の点検や整備における展望やリコール、また、付属品などの値引きになどについても、業販店だけで決めるのではなく、正規ディーラーと同時に見積もりをとる必要があるでしょう。
まとめ
結論から言うと、新車を買うならディーラー以外を選ぶべきではありません。
昔から懇意にしている業販店ならともかく、一見客ならリスクが高くなり「安く見えて実は損をしている」なんてパターンがあるかもしれないですしね。
こんな落とし穴に落ちないためにも、業販店だけではなく、正規ディーラーでも見積もりをとってもらい比較して商談することが必要です。
特に購入後「ディーラーでしっかりと確実な整備を受けたい」というなら業販店を選ぶ理由は見当たりません。
いずれにしても、新車を買う予定があるなら、無駄な手間をかけずに最初からディーラーで購入しましょう。
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