平成21年式のタント(L375S)に乗っているユーザーからこんな依頼がやってきた。
「エンジンオイルの減るスピードが異常なんだけど・・・」
ユーザーさんの話を聞いてみると、今までオイル交換は半年に1度のペースで実施していたらしいのですが、今では2ヶ月に1度はオイルが足りくなりスタンドで補充しているとのことなんです。
通常エンジンオイルは、多少の誤差はありますが漏れていない限り少なくなっていきません。
2ヶ月に1度ということは相当早いペースで、オイルの量が少なくなっているのです。
「床下を覗いて見ても、液体が濡れている様子もないので点検して欲しい」との要望だったので預かって点検してみました。
タントのエンジンオイルがすぐに減る理由と修理料金
タントのエンジンオイルがすぐに減る原因は?
結論から言うとオイルが減る原因は「エンジン本体」でした。
エンジン本体と言っても、上部の「シリンダーヘッド」と下部の「シリンダーブロック」2分割になっており、今回の主原因はシリンダーブロック本体です。
では、実際にシリンダーブロックが原因だとしてどこで漏れているかというと、ブロック内にある「シリンダー」と「ピストン」の隙間からオイルが漏れる「オイル上がり」の状態になっているのです。
このように、オイル上がりになっているおかげで、エンジンオイルの減るスピードが異常に早くなっているんですね。
なぜ、オイル上がりになってしまうのかというと「エンジンオイルのメンテナンス不良が原因」です。
つまり、定期的にオイル交換を実施しないおかげで本体の内部にスラッジやカーボンが滞留してオイル上がりになります。
さらに、オイル上がりはエンジンの中で漏れているので、床下にポタポタ落ちるわけじゃなく「マフラーから煙」となって出てきます。今までよりもマフラーから白煙の量が増えてきた場合には、ほぼほぼエンジン本体で間違いはないでしょう。
※ちなにみタントのシリンダーブロックの不良は異常に多いらしい。。
タントのエンジン本体の修理見積もりの金額
とある場所でエンジン本体の修理をする見積もりをとってもらったところ「約30万円」という衝撃的な修理金額になってしまった。
交換するパーツは、新品のシリンダーブロック本体になります。当然エンジン本体を脱着する必要があるので工賃も半端ない!
また、整備工場に「価格を抑えるために中古リサイクル品のエンジンは使えるのか?」と聞いてみたところ「絶対にやめておくべき」という回答をもらいました。
なぜなら中古エンジンは、今装着されているエンジンと同じ症状を抱えている可能性があります、またオイル漏れしているわけじゃないので見た目で判断することができず、交換するリスクが非常に高いからです。
ですから、もし交換に踏み切るとしたら中古エンジンにするぐらいなら、新品にすることをおすすめします。
タントのエンジン本体を新品に交換した。
今回の依頼者にエンジン本体を「交換する」か「入れ替えする」かを確認したところ、すごく悩んだようで結局は「エンジン本体交換」という方法を選択したようです。
新車で購入してからもう7年近く経過しているので、「入れ替えてを考えてみてはどうだろう?」と提案してみたのですが、今はちょっと経済的に厳しいので、入れ替えはもう少しあとから考えるからという答えでした。
私もあまり「入れ替え」を強要するつもりもないので、依頼者の意思を尊重して修理を実施しました。
やはりエンジン本体を交換するのでエンジンを脱着する必要があり作業はなかなか手間のかかる作業です。部品の調達まで約1週間程度かかり、手をつけてからは3日程度で終了。試運転も1日かけてしっかりと行ったのでバッチリ終了です。
まとめ
私の個人的な意見を言わせてもらうと有償で30万円を支払ってまで「エンジン本体の交換」には反対です。
なぜなら、既に約80,000km近く走っている軽自動車に、30万円の修理代を払うのは今後の故障のリスクを考えると損をする可能性が高いからです。
だってそう思いません? 今回エンジン本体が完全に治っても、タントはあくまで軽自動車です。エンジンの他、例えば「ブレーキ」「ステアリング」「ミッション」などエンジン本体以外にもそろそろガタが来てもおかしくありません。
もちろん、故障したタイミングで修理していけば良いのですが、それでも80,000km走行の軽自動車の修理費用に30万円払う必要性を感じないのです。追い打ちをかけるように、車検が控えているのでさらなる出費を覚悟する必要があります。
それでも最終的には本人の意思に任せるしかないのですが、できれば修理をせずに新しい車への入れ替えをしたほうが絶対にお得です。
もちろん今乗っているタントを売却できないわけでもありません。査定をするにしても、幸いエンジンオイルが漏れているわけじゃないのでエンジン本体で減点対象にはなりません。
高額な修理代を支払って将来的な故障のリスクを背負うのか?売却して新たな車の購入資金にするのか? やはりどの分野でも潮時のようなものはあり、しっかりと考え後悔のない決断をしてくださいね。
私は新車を購入するため、今まで乗っていたプリウスをディーラーに下取り査定を頼みましたが、予想してたよりもはるかに低い査定額でした。
そこで、下取りを一旦辞めてネットから「車一括査定」を申し込み、複数の業者から同時に査定してもらったところ、最大で234,000円の価格差がついたのです。
しかも、はじめに「概算金額」から教えてくれるので、自分の車の「相場価格」もかんたんに知ることができる。
無料一括査定なら最大の「10社」買い取り業者を使って同時に比較ができることができますし、 申込みも1分程度で終わるのでおすすめ。