「エンジンを始動した直後にエンストしてしまう。」
3.0L、16年式の初代アルファードに乗っているユーザーから、エンジンが止まってしまうと相談されました。
詳しく聞いてみると、朝一番や長期間放置後など、エンジンが冷えているときに頻繁に症状が出るようなんです。
「オートマなのにそんな変な症状なんて出るの?」ということでちょっと預かって点検してみました。
さて今回の記事では、旧型10系アルファードの「始動直後のエンスト」について。
故障した部位はどこなのか。また修理費用や修理日数など気になる点について解説をしていきます。
10系アルファード始動した直後に「エンスト」する原因と修理方法
アルファードのエンストにおける条件とは?
まず、エンジン始動した直後のエンストすると聞いたのでさらに詳しく聞いてみました。
確認してみたところ、以下のようなシチュエーションにて「エンスト」「始動不良」の症状が出たのです。
- エンジンスターターを使っても1回でエンジンが始動しない。
- エンジン始動してもすぐに止まる。
- エンストした直後エンジンを再始動してみると、とりあえずはかかる。
- 信号待ちにて、Dレンジのままブレーキを踏んで待っているとエンストしそうになる。
- エンジンが暖まれば、安定する。
症状をまとめると、こんな具合です。
では、実際に悪い箇所を追求していきます。
「エンスト」する不具合部位を追求する。
私も症状は確認することができたので、不具合部位を絞ってみました。
多分怪しいのはスロットルボデー周辺だと思います。
なぜなら、エンジン回転数が低下することより起こる不具合だからです。
スロットルボデーは以下の矢印にそばにあります。
エンジンの吸入口にインテークマニホールドという部品がついているのですが、その手前にあるアクセル開度をオン・オフさせる役割をしているのがスロットルボデー。
工具を駆使して、スロットルボデーの脱着に成功です。
取り外すとこんな感じになります。
これがとりはずしたスロットルボデーに接続されているのが、今回の不具合部位と疑っているISCV(アイドルスピートコントロールバルブ)という部品になります。
ちなみに、ISCV(アイドルスピートコントロールバルブ)とは一体どんなパーツなのか。
以下のサイトで詳しく解説しています。
アイドリングの回転数が自動的に所定の値になるように、吸入空気量を制御するバルブ。
エンジン冷間時に回転数を上げ、暖機とともに低下させたり、エアコンがオンのときなど、アイドリング回転数を高めるために設けられる。
また、アイドルスピード・コントロールユニットと呼ばれることもある。
おもに、エンジンコントロールユニットからの信号で、このバルブ開口面積を制御するようになっている。
つまり、冷却水の温度とエンジンコンピューターの信号でエンジン回転を自動調整しているってわけ。
そしてそのISCVを分解してみて中を覗いてみると、カーボンがめちゃくちゃ詰まっていることがわかります。
この上下に動く部分に、スラッジやカーボンが蓄積することで回転が安定せずエンストするのではないかと判断しました。
本来は黄色い軸を支点にして、左右に動くような仕組みになっているのですが、カーボンやスラッジによってAが固着してスムーズに動かないようになってしまっているんですね。
よくネット上で、カーボンを清掃することによって一時的に症状が復帰することがありますが、抜本的な解決をさせるには、部品交換するのが1番の方法でしょう。
エンストの原因「ISCV」交換の見積金額はどれぐらいなのか。
ディーラーにお願いしてISCVを交換する見積もりをとってもらいました。
すると、ISCVの交換にかかる費用は部品代・技術料を含めてなんと「約66,000円」になってしまったのです(高杉)
66,000円の内訳としましては、
- ISCVの部品代:44,000円
- ISCV交換に必要な小部品:3,000円
- ISCVを交換するための技術料:20,000円
になりました。
やはり負担が大きいのは部品代の44,000円とまた交換工賃の20,000円もバカになりません。
中古パーツを使うという選択肢もありますが、中古パーツ自体が同じようにカーボンやスラッジによって故障している可能性もあるので、信頼性の面でなるべくは避けるべきでしょう。
「ISCV」の新品を取り寄せて交換をしてみる。
新品のISCVを取り寄せてもらいました。
もちろんバルブの部分に全くカーボンも付着していなければ、動きもスムーズ。
全くの別物です。
大体のISCVの交換目安は半日です。余裕をもって1日ぐらいを想定しておけばいいかもしれません。
また、スロットルボデー自体に冷却ラインもあるので、交換したあとに暖気したり冷却を多少繰り返す必要もあるのでオーバーヒートを防止する意味でも時間の余裕はあったほうがいいです。
いずれにしても、整備に詳しくない方がやるにはとても危険な作業です。
もしお願いするなら、ディーラーかしっかりと実績の整備工場を選ぶべきでしょうね。
まとめ
ISCVを交換したあと、試運転等を確認作業をしてみましたが今のところ全く問題がありません。
今回エンジンが始動直後に止まる主原因は、スロットルボデーに装着されている「ISCV」のカーボンやスラッジの蓄積が原因でした。
今回の故障は、信号待ちなどでエンストすることがネックです。
自宅前でエンジンが始動しなくても、バッテリーチャージするなどで対処はできるかもしれません。
ただ、信号待ちなど公道を走行中には、後続車などもいるので突然のエンストは不安でしかありません。
それなら60,000円近くの高額な修理代を支払うことも致し方ないのかもしれないですしね。
一方で、この年式のアルファードに高額な修理費用を支払うってこともさすがに抵抗も感じるでしょう。
それならまず、このアルファードを、ネットで利用できる一括査定のサービスに査定依頼を出して「一体どれぐらいの価格で売れるのか?」を一度しっかりと算出してから、入れ替えなども検討してみるものアリかもしれません。
単独の査定ではなく複数の業者で比較して査定額を算出するので、下取りよりも一括査定を利用するほうが高価買取してくれる可能性があります。
また、高額修理するときには、新しい車への入れ替えタイミングでもあるのですから。
私は新車を購入するため、今まで乗っていたプリウスをディーラーに下取り査定を頼みましたが、
予想してたよりもはるかに低い査定額でした。
そこで、下取りを一旦辞めてネットから「車一括査定」を申し込み、複数の業者から同時に査定してもらったところ、
最大で234,000円の価格差がついたのです。
しかも、はじめに
「概算金額」から教えてくれるので、自分の車の
「相場価格」もかんたんに知ることができる。
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